みどころ

  1. 三方五湖
  2. 東と西の展望台
  3. ばら園
  4. 五木の園
  5. 恋人の聖地の碑
  6. 誓いの鍵
  7. かわらけ投げ・天狗堂
  8. 和合神社
  9. 大名たぬき角兵ヱ
  10. 休憩室
  11. 友好の鐘
  12. めだか村
  13. カブトムシの館
  14. 野外彫刻
  15. 安全地蔵尊
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■レインボーライン山頂公園
《営業時間》
8:30~16:30
※土・日・祭日および
 夏休み期間中
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《休園日》
12月29日~1月1日
 
■三方五湖有料道路
《営業時間》
・10月1日~4月30日
 8:00~18:00

※通年通行できますが
 季節により時間変更が
 ございます。
 詳しくは
 【アクセス・料金】
 【福井県道路公社HP】
 ご確認ください。
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株式会社レインボーライン
〒919-1301
福井県三方上中郡若狭町気山
18-2-2
TEL.0770-45-2678
FAX.0770-45-1833

たぬき角兵ヱ紙芝居


地元の民話 紙芝居


当地では佳久平多奴喜と名付けられていた。
人間とのふれあいから親しまれる名前が付けられたと伝えられている。


 大慌てで魚を背中のカゴに入れて、トットコ山を越えはじめた。けれども、行けども行けども村の灯りが見えん。あたりはドンドコ暗~くなる。そこへ、
「もし、あのぉ」
 声を掛けるものがある。
「すわっ、角兵ヱがでたかっ」
と三郎太身構えたが、声の主はかわいい娘っこじゃ。
「夜道は、危のうございます。家はすぐそこですからお泊まりなさいまし。」
あんまり優しくいうもんじゃから、遠慮しいしい三郎太、娘についていくことにした。
 道の向こうに、それはそれは立派なお屋敷があってな、広い広い座敷に通されて、た~んとごちそうになって、旨い酒をたらふく飲んで三郎太ごきげんじゃった。と、


「お~い、おお~い、三郎太ぁ」叫ぶ声がする。
「何じゃ、せっかくいい気分なのに」
ふり向くと、村の和尚さんじゃ
「この家は、和尚どんの檀家かい」
 尋ねると和尚どん驚いて、
「ど、どこに家がある?」
「どこって、ここやないか」
とたたいたその手に触れたのは、上等の畳のはずが、湿った土。
みればさっきまで確かにあった、お屋敷もあの優しい娘も、跡形もなく消え失せ、辺りは一面のススキの原。
 口にはい~っぱいススキの穂をほおばっておった


以来、三郎太は、三日三晩寝込んだそうな。
こうやって、見事な手口で人間様を化かす角兵ヱにも、強力なライバルがおった。隣の丸山の小坊主じゃ。
ある日、小坊主が万丈の山へやって来ていいおった。
「おい角さん、いっちょお、だましっくらをしよやないか。」
角兵ヱにも異存はない。
「いつでもうけてたっちゃる!」
こうして二匹のだまし比べがはじまった。


あるおぼろ月の晩、和尚さんが村にやってきた。いつもよりいい声で、思わず衿を正すような威厳のあるお経だったので、村の人たちは出来る限りのお布施をはずんだ。
ところが一刻ののち、またもや和尚さんがお経をとなえにやってきた。
「いくら有り難いお経でも、お布施の二度取りはあんまりじゃ」
村人たちは怒るが、和尚さんにはチンプンカンプン。
「さては、はじめの和尚さんは、丸山の小坊主じゃったか」
と、ようようしれたころには、もう小坊主の毛の一本ものこっとらん。


そんなことのあった次の日のことじゃった。
「したぁにぃ~い、下に!」
遠くからふれの声が響き、しゅくしゅくと立派な大名行列がやってくる。御供はざっと五十人もいるじゃろうか。真ん中のそれはそれは豪華な籠に、キラリと光る金の紋は、幕府の大老、井伊掃部頭さまの紋じゃ。
阻喪があると、無礼打ちにされかねん。村人たちは、ぴったりと土下座して行列の行きすぎるのを固唾を飲んでまっとった。ところが
「籠を止めよ!」
大老さまの大音声が響きわたり、長~い行列がピタリと止まってしもうた。籠が降ろされ、目にも鮮やかな緋の毛氈が地面に敷かれると、悠然と大老さまが出てござった。
「エッヘン、オッホン」
村人たちが一斉にひれ伏す目の前を、グンと胸をはって歩いていく。その大老さまのお顔のまわりを、ブンブンアブがうるさく飛んでおったんじゃが、何を思うたかアブの奴めが、得意げにおっぴろがった大老さまの鼻の穴へついと飛び込んだからたまらない。大老さま、大きなおお~きな口をあけて、
「ふぁ、ふぁ、ふぁ、ファ~ックショ~オイ」
あんまり大きなクシャミだったので、御供の家来たちがみ~んなとんでってしもうた。
「いくら何でもクシャミで人間が飛ぶはずがねぇ!」
よく見ると、後にはヒラヒラ五十枚の木の葉が舞っておった。そして、大老さまのお顔には髭が、お尻にはしっぽがーー?
腰を抜かした村人たちが、茫然としておる隙に、
「ウワ~ッハッハ!ワッハッハ!みんなアホじゃ。木の葉に土下座した!この角兵ヱにひれ伏した!どわ~っはっはっはっは!」
大笑いしていたずら角兵ヱ、山へ帰っていきおった。
「大名行列とは恐れ入ったが、ナンノまだまだこれからだぞい」


小坊主、今度は京の都のキラキラ衣装に身を包み、占い師に化けて漁師小屋の戸をたたいた。
「ちょうどいいところへ来てくださった。さっぱり魚が獲れんでこまっとる。やることがのうて喧嘩ばっかりしとる。どうぞ占うてやって下さいまし」
と漁師たちにせがまれて、小坊主占い師、なにやらムニュムニュ口のなかで唱え、水晶玉をこねくりまわしていたが、やおら大声で、
「この不漁は、ナベのせいと出た!」
「ナ、ナベとは、この料理をする鍋でございますか?」
きかれて小坊主、大真面目な顔をして、
「そうじゃ、いつも囲炉裏で炊かれて、熱い思いをしている鍋のたたりじゃ。じゃによって、この囲炉裏のスミを顔に塗り、鍋を頭にかぶって、
♪チンチクリンじゃ、チンチクリン♪
と唄いながら踊ると、鍋の呪いもとけ、魚が獲れるようになるじゃろう」
なんぞとでたらめをゆうた。じゃが、漁師たちは、本当に切羽詰まっておったから、藁をもすがる思いで、小坊主のでたらめな“チンチクリン踊り”を教えられるままに踊ったんじゃ。
♪チンチクリンじゃぁチンチクリン、チンチクリンじゃぁチンチクリン♪
恥ずかしさで顔を真っ赤にしながらみな交替で、一生懸命踊った。一生懸命やればやるほどこっけいで、いつしかんみんな喧嘩していたことも忘れて、ゲラゲラわろうとった。
小坊主は、珍妙な踊りを踊らせて、あざけり笑ってやろうと思っとったんじゃが、あんまりみんな楽しそうなんでついつい釣られて、一緒になって笑い騒いでしもうとった。
それで油断したんじゃろ、キラキラ衣裳の下から大きなしっぽをニョッキリ出してしもうたんじゃ。
「あっ、こいつは狸じゃ、丸山の小坊主じゃ!」
漁師たちに見つかって、小屋のなかとて逃げることもできず、とうとう小坊主、縄でグルグル巻きに縛り上げられ、天井から吊り下げられて、棒で叩かれそうになって悲鳴をあげた。
「助けてくれぇ、もう二度と人を騙したりせんからゆるしてくれぇ!」
「いいやっ、勘弁なんねぇ。あんな恥ずかしい“チンチクリン踊り”を踊らされたんじゃ、ちゃんと魚が獲れるようにしてもらおう」
「そ、そんな無理なこと」
「そうか、無理ならこのまま狸汁にしてくっちまうぞ!」
「ヒエ~ェ、勘弁してくれ、海の主になんとか頼んでみるから」
こうして小坊主、海の主の大海亀に頼んで、魚が獲れるようにしてもろうた。そのかわり亀の前でさんざん゛“チンチクリン踊り”を踊らされたそうな。


「以来、不漁になっても漁師たちがこの踊りを踊ると不思議と魚が獲れるようになったんじゃ」
小坊主はといえば、すっかり懲りて、もう二度と悪さはせんようになった。


はっと気が付くと、庄屋さんはじめみんなが心配そうに与次郎を覗き込んでおった。
「おぉ、気が付いた」
「与次郎、よかったなぁ。この木のてっぺんにお前はぶらさがっとって、助かったんじゃ。」
見上げると、大きなおおきな松の木が、昨日の晩、角兵ヱが立っておったその場所にニュッキリ、生えておったんじゃ」
こじき坊主のゆうたとおり、大きな土砂崩れに村はすっかり飲み込まれ、それはひどい有様じゃった。
「もし、この木が守ってくれなんだら…」
与次郎はゾォ~ッとしたもんじゃ。
以来、与次郎はこの木を“角兵ヱ松”と呼んで、生涯大切に世話したそうな。
村人たちも、
「角兵ヱは、人を騙す悪い狸じゃったが、やっぱり山の主じゃ、すごい奴じゃ」
   と角兵ヱの話を子へ孫へと語り伝えたそうな。


この村と、角兵ヱの縁は今もつづいとってな。
角兵ヱの子供のそのまた子供の子供が、つい五年前にも姿をみせて、しばらく人間と遊んどったが、ふいと、ある日からおらんようになった。
そういえば、昔むかしのあの風雨の日と同じような大きな土砂崩れが起こった日から姿をみせんようになったんじゃ。
どっかでまた、誰かを救うために出掛けたのかもしれんなぁ。


むかしむかしお山には、どこでも山の主がおってな。大きな顔して、山の草や木や動物たちを従えておった。
ここ、万丈の山にも主がおった。角兵ヱという古狸じゃ。