『日本書記成立の研究』(学位論文・昭44)に続いて「日本国家形成史の研究」を目的とされた友田氏(もと本会会員)は、その公刊を目前にして平成7年6月に逝去された。この度、御貴族等の努力により出版された本書は、「はしがき」によれば、歴史学と文化人類学の民俗・言語・国語・文献批判・神話・宗教・考古・天文・暦・地理・生物・技術の諸学を総合して日本神話を解釈しようとしている。
友田氏はニニギノ尊を実在の国王とみなし、降臨の地は九州筑紫の日向(宮崎県)の高千穂の峰ではなく、福井県三方郡美浜町大字日向(ひるが)の梅丈岳と推定する。
記紀の国譲り神話においては、出雲国の統治権を委譲したのに、なぜ天孫は出雲国へ降臨せず日向国に降臨したのか、そこに矛盾がある。地方、日向降臨神話においては、この地が「韓国に向ひ」とあるのに、太平洋に向かい朝鮮半島に向っていない、ここにも矛盾がある。
しかるに福井県には、日向・日向湖の地名があり、また梅丈岳は韓国に向ったいるから、日向国の原形の地にふさわしいと推定される。さらに三方郡に集中する「王の舞」は猿田彦神の化身、天孫はトンボの化身、等々の所説もみえる。 |